御覧いただきありがとうございます。全単板！柾目ハカランダ単板！昭和40年 (1965年) 製作されました 『 中出六太郎B3 クラシックギター 』を出品いたします。中出六太郎さんと言えば名工 「中出阪蔵」の実弟ですが、(ちなみにご子息はギター作家の「中出治」です。) 兄弟と言えども作風はかなり阪蔵氏と違い、六太郎氏は独自のアイデアを持った方だった様です。 六太郎氏はもちろんギタービルダーですがマンドリン作家の方でも有名で、晩年はどちらかと言えばマンドリンの方が多く製作していた様です。弟子を多くとり量産体制体制をとっていた阪蔵ギターほど多く出回ってはいない、当時の国内ルシアー物では比較的玉数が少ない作家さんだと思います。 市場でたまに見かけますが手頃な物も手掛けていた方で、市場に出回っている物は比較的庶民的な価格で販売されていた個体が多く見られる気がします。 本機も高級なモデルという物ではなく( とはいっても当時では大卒初任給くらいの価格 )作家物ではまだ手頃な個体だったでしょう。本機が製作された頃は品番的に5〜9 ( A、Bの違いは不明です。 )という番号がつけられている物にハカランダが採用されている物となっているのですが六太郎氏の作品は材の管理やその時々の都合で組んでいたのか当時の標準的な仕様と違う個体が多く見られる様です。 私自身六太郎氏のギターが好きで今までも私個人の所有や販売としても結構な本数取り扱っておりますが今までもA1やA3などの品番でもハカランダ単板の個体を複数本確認しています。( つい先日もハカランダ単板のA3が出品されておりました。) 本機も製作した訳ではありませんので断定こそ難しいですが柾目のハカランダが採用されていると思われます。 ハカランダと言えば板目で派手なクオーターゾーンと言われる特徴的な杢目を想像されると思いますが戦前のマーチンのハカランダなどは板目の方が圧倒的に少なく、 インディアンローズとほとんど見分けが付かない物も非常に多くあります。 ( マーチンに関しては品番での仕様がキッチリしていますので年代とモデルで判断出来ます。) もちろん枚数が取れない柾目の方が上質で高級とされています。 本機もインディアンと見分けがつきにくくはありますが所々特徴的な杢目が見られ、 古い物ですのでほのかではありますがサウンドホールからハカランダならではの少し甘い感じの香りを感じます。 あとヘッドの突き板やブリッジにもハカランダが配されています。 (古い国産のクラギはボディー材と突き板、 ブリッジを同種の材で誂える固体が多いです。)

私は先にも書きました様に六太郎氏のギターが好きで一時期は自身の持ち物も含め何本も扱っているのですが、 六太郎氏のギターはなにか御本人の人間性、優しさが作品から感じられる気がして好きなんです。 阪蔵ギターの様なズシン!と重く大きな音の鳴りギターではありませんが、 バランスが良くローズ系の割には明るく軽やかな出音。 シンプルな作風と簡素な意匠、優 しいトーンが魅力的なギターです。 ( 六太郎氏と当時少年だった保有者さんとのエピソードを書かれたブログがありました。 「http://www.ne.jp/asahi/goeche/kutani/guitar.htm」 作家として も人柄もとても素晴らしい方だった様ですね。) ところで本機の詳細ですが・・・ トップはスプルースだと思います。もちろん単板です。サイドとバックは珍しい単板の「柾目のハカランダ」が使用されています。 (サイドに割れ止め有りです。) ネックはマホガニー指板は縞黒檀ではないかと思います。

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